アマデウスという、常にはないラテン語のセカンド・ネームの意味は、神が愛した者、というものだ。それも、モーツァルトが生まれたときからつけられていた名ではなく、彼が10歳前後の頃に父親がつけた名であるらしい。父親は我が子に、神が愛した者、つまり天才という、セカンド・ネームを与えたのだった。
人間には、三種あると思う。天才、秀才、凡才と。映画『アマデウス』には、この三種のタイプが、モーツァルト、サリエリ、オーストリア皇帝レオポルドと、書き分けられている。私は人間はこの三種に分けられるとは書いたが、それはけっして、秀才や凡才を軽蔑しているのではない。ただ、ちがう、と言っているだけである。そして、天才、秀才、凡才の区別は、努力しなくてもできる人、努力の人、努力しない人、の区別でもない。全員、努力はする。努力とはベースのようなものだ。天才とは努力することを知っている人のことである、というゲーテの言葉もあるくらいだから。
原作シェーファーの区別の基準は、これに私も賛成だが、次のようなものではないかと思う。天才―神が愛した者。秀才―神が愛するほどの才能には恵まれていないが、天才の才能はわかってしまう人。ゆえに、不幸な人。凡才―秀才の才能は理解でき、尊重はするが、天才の才能まではわからない人。ゆえに、幸福でいられる人。
天才にはなれなくても、「立派に」ぐらいにはなりましょう。
―塩野七生著『人びとのかたち』(1995)より
東京の桜が満開となり、東京ミッドタウン日比谷が開業
東京は先月末、桜が満開となり、高級ホテル<帝国ホテル>と
外資系超高級ホテル<ペニンシュラホテル>との中間に位置する場所に、三井不動産の新しい大型複合商業施設<東京ミッドタウン日比谷>(地上35階建)が開業したが、同施設は2007年に赤坂(最寄駅は六本木)で開業した<東京ミッドタウン>に次ぐそれだ。とりわけ、注目の施設は11スクリーンで約2300席を誇る大型シネマコンプレックス「TOHOシネマズ日比谷」だろうか。
付け加えるなら、同社による日本橋の大型再開発で誕生した<日本橋三井タワー>(地上39階建)の開業が2005年ゆえ、当時独身だった俺が、中央区の<大川端リバーシティ21>の超高層マンション群の35階に位置する自宅から、日本橋三井タワーが完成するまでの途中経過を日々リビングから眺めていたのが昨日のことのように思い出される。同タワーの30階~38階に入居しているのが外資系超高級ホテル<マンダリン・オリエンタル東京>だ。この日本橋、丸の内、銀座、有楽町、日比谷の、都心3区の内2つ「中央区」及び「千代田区」はより洗練され、オトナの街へと変貌を遂げ、東京で最も高級で洗練されエリアとなっている。そして都心3区の残り1つが「港区」であり、アメリカ大使館をはじめ、外資系企業が多数集まるなど“インターナショナル”という意味合いではNo.1だが、デパートがひとつもないというのも特徴のひとつだろうか。
一方、中央区は買物天国であり、デパートだけでも「日本橋三越」「日本橋髙島屋」「銀座松屋」「銀座三越」「GINZA SIX(旧: 銀座松坂屋」)」「東急プラザ銀座(旧: 数寄屋橋阪急)」が6店舗も揃っており、
そして日本を代表する高級ショッピングストリートを形成する<GINZA>等々、ワンストップソリューションで消費者のさまざまな“欲しい”を解決できる唯一の場所なのだ。そんな銀座から徒歩圏の日比谷に、今回新たに誕生した<東京ミッドタウン日比谷>の意味を考えた場合、有楽町や日比谷に映画鑑賞や観劇を目的に訪れた人々に新たな選択肢をひとつ加えたことか。
人生は「選択の連続」だが、日比谷で映画鑑賞後、銀座までわざわざ足を運ばずとも、例えば、ニューヨーク発のお洒落なフレンチ・ビストロ<Buvette(ブヴェット)>でシャンパンをいただいたり、食事をできるのも魅力のひとつだ。
ブルーボトルコーヒー京都カフェ
ところで、今から3年前となる2015年2月6日(金)付ブログ“Blue Bottle Coffee Begins”(テーマ: レストラン&バー、カフェ)で、サンフランシスコ発『ブルーボトルコーヒー』を取り上げたことを憶えているだろうか。
“サードウェーブ・コーヒー(第3の波のコーヒー)”に関しては、過去何度も取りあげているので、今回は言及しないが、ブルーボトルコーヒーが先月末、関西初の出店先として、京都にオープンしたのだ。『スターバックスコーヒー』というシアトル発の格安なコーヒーチェーンとは差別化したブルーボトルコーヒーの出店は、カフェ選びの選択肢が新たにひとつ加わり、関西人にとっても、訪日客にとっても、それは良いことではないのか。
付け加えるなら、スタバが「第3の波のコーヒー」に対抗すべく、新たにサーヴィスを開始したのが「スターバックス リザーブ」だ。そう、同店で提供していたパナマ産ゲイシャ種の超高級コーヒー「パナマ・アウロマール・ゲイシャ」が懐かしい今日この頃だ。
ボルボ・カー・オープン
マイアミ・オープンの男女シングルス決勝戦も終わり、男女ともに誰も予想していなかったであろうアメリカ人が優勝し、期待の大坂なおみちゃんは、1回戦のセリーナ・ウィリアムズ(元世界ランキング1位)には勝利したものの、2回戦では“体調不良”という理由!?でスビトリナ(同大会時点での同ランクは4位)に負けを喫した。
その後、十分な休養を取れたであろう大坂なおみにとって、日本時間の今夜から始まるWTAプレミア(470)「ボルボ・カー・オープン」本戦では、その“言い訳”は通用しなくなるが、彼女の圧倒的な勝利での優勝を期待したい。
ドロー表を見る限り、マイアミ・オープン2018優勝兼ボルボ・カー・オープン2016年覇者<スローン・スティーブンス>ちゃんをはじめ、ボルボ・カー・オープン2017年覇者<ダリア・カサトキナ>ちゃんも参戦しているとはいえ、小さな大会ゆえ、BNPパリバ・オープン2018(WTAプレミア・マンダトリー1000)のドローと比較した場合、かなりゆる~いそれなのだ。マイアミ・オープンに続き、俺の考える本命は大坂なおみちゃんだ。
ドローその1
このグループは、特筆すべきことは何もないのだが、私的にはカナダの人気選手<ウージニー・ブシャール>ちゃんに1回戦を突破してもらい、3回戦でスティーブンスを撃破してもらいたいと願っているわけだが、今の状態であれば厳しいだろうね。
とはいえ、スティーブンスは好不調の波がある選手ゆえ、夢物語ではないはずだ。両者の過去の対戦はなく、ブシャールはマイアミに、スティーブンスはフォートローダーデールに居を構えており、大坂なおみ同様、フロリダ在住の選手なのだ。なお、マイアミから「ボルボ・カー・オープン」が開催されるサウスカロライナ州のチャールストンまでは、飛行機で2時間弱の距離ゆえ、両者ともにマイアミ・オープンでの疲労は関係ないと思われる。
ドローその2
このグループは、先述したように<大坂なおみ>と<ダリア・カサトキナ>という20歳同士の若手有望株が勝ち進んでいけば、決勝戦ではなく、4回戦(準々決勝)で激突するというタフなドローではあるが、カサ(ト)キナに勝利すれば、準決勝での対戦相手はクビトバが予想されるが、それが実質の決勝だろうか。
このグループで、私的に注目しているのは、先月のBNPパリバ・オープンで、ワイルドカードで出場したアメリカ19歳の新星<キャロライン・ドルハイド>ちゃんだ。1回戦ではロジャース(当時の世界ランキング78位)に、2回戦ではチブルコバ(同30位)にそれぞれ勝利し、3回戦でハレプに1-2で敗れた期待の新人なのだ。プレースタイルは、ココ・バンダウェイやオスタペンコ、そして大坂なおみにも似ており、いわゆるパワーテニスで展開する選手なのだが、その見た目とは対照的に、ラケット使いが器用であり、フットワークも良いので、近い将来での活躍が期待できる選手だろうか。
なお、このドロー表に書き込んだ世界ランキングは、先週末にシャンパン片手に作成したもので、最新の4月2日時点のそれではなく、3月19日時点のそれなので、あしからず。
最後に
ブログ冒頭で、俺のお気に入り作家のひとり<塩野七生>氏のエッセイ本から一部抜粋して引用したが、その中の「天才とは努力することを知っている人のことである、というゲーテの言葉もあるくらいだから」に該当するテニス選手は、他でもない現世界ランキング1位の<ラファエル・ナダル>その人だろう。今月からクレーシーズンが始まり、4月中旬からATP1000大会「モンテカルロ・マスターズ」が始まるが、リハビリ明けとはいえ、ナダルの復活を期待し、ぜひとも優勝を飾ってほしい。
Reach full bloom!