Acqua di Gio (アクア・ディ・ジオ)★★★★
流行雑誌に出てくるモダンなインテリア風の香水といえばよいか、ステンレスの配管がむきだしの、生活感のない広々としたロフトに、ちょっとだけモダンな家具を配した感じ。子どもがクッションとクッションの間に人形を押し込んだりしたらデザイナーに怒られそうだ。香りは90年代に生まれた清潔感あふれるフローラル、自分には純白のカーペットこそふさわしいと信じる人のための香水だ。
レモンが香るフレッシュな朝の陽光をイメージしたミュゲの名香「ディオリッシモ」(ディオール)と、グリーン フルーティ フローラル系のクールな女王「クリスタル」(シャネル)の流れをくんで1995年に誕生したもの。担当したのはエドアール フレシエとフランソワーズ キャロン、いずれもありふれた素材からでも深みのある際立った香水を作り出す類い稀なる才能の持ち主だ。清潔感あふれるフローラルに、今や流行のひとつになったメロンの爽やかな香りを加え、ドライダウンにはピーチが香るが、けっして後を引かない。この香水は「トミーガール」や「エンヴィ」をはじめとするアメリカンなフローラル系香水の先駆けとなった。すばらしい作品。
―タニア・サンチェス~「世界香水ガイドⅡ」より
最も早い夏の始まり
ジョルジオ・アルマーニの2019年春夏ミラノコレクションのショーが終わり、プロテニスの世界は「グラスコート・シーズン」の大会がロンドンを中心に盛り上がっており、いよいよ来週から『ウィンブルドン選手権』(7月2日~15日)が始まる。
一方、日本の気象庁は、関東甲信地方が6月29日に梅雨明けしたと発表した。同庁によれば、1951年以降で最も早い同地方の梅雨明けであり、昨年より7日早く、平年より22日早いそうだ。夏は眩しくて美しい季節なのかもしれないが、このニュースは、ここ67年間で、東京に最も早い夏が訪れたことを意味する。
カルヴィン・ハリスの傑作アルバムリリースから1年
そう、今から約1年前となる2017年7月12日(水)付ブログ“Be careful of heatstroke.”(テーマ: 音楽)では、進化するスーパースターDJ<カルヴィン・ハリス>のニューアルバム『FUNK WAV BOUNCES』について詳細に綴った。そして、このブログを気まぐれに書き始めてから、今年で14回目の夏を迎えたことになるが、例えば、当時18歳の女子大生の読者が、今年でラファエル・ナダルと同じ32歳なのだから、時の流れを改めて強く感じさせる今日この頃だ。
ナダルが完全復活を果たした昨年から、俺の帰宅後のそれは、相も変わらず、シャンパン片手に、ソニーの4K大画面テレビに映し出されたプロテニスの試合をDAZN、GAORA、WOWOW、Tennis TV等々で、コルビュジエのソファもしくはバルセロナ・チェアに腰を下ろし、テレビ観戦する日々が続いている。俺の人生の中で、これほどまでにテニスの試合をTV観戦した記憶は過去一度もなく、ナダルの果てなく続くテニス人生の物語、その歴史的瞬間の目撃者となっているのは、俺だけではないはずだ。
毎夏、ジントニック。
テニス観戦時、シャンパン以外の選択肢はといえば、タンカレーNo.10が俺のお気に入りプレミアムジンであり、定番のひとつになって久しいが、
今月に限れば、例えば、サイレントプール、ボタニスト、スター・オブ・ボンベイ等々のプレミアムジンをバカラやアルマーニ・カーザのロックグラスにそれぞれ注ぎ、それをフィーバー・ツリー(トニックウォーター)で割ったジントニックの飲み比べをしている。俺がブルゴーニュ産の白ワインをはじめ、ジントニックもお気に入りであるのは、永年のブログ読者の方であればご存知のはずだ。
“Fever Tree(フィーバー・ツリー)”といえば、先週末までロンドンで開催されたATP500「クィーンズクラブ選手権」のスポンサー企業としてつとに有名であり、同大会は「フィーバー・ツリー選手権」として開催された。
同大会の本戦には32名が出場したが、優勝したチリッチをはじめ、
初戦敗退したゴフィン、
ゴフィンに勝利したが準々決勝でキリオスに敗れベスト8で終わったフェリシアノロペス、
ベスト4のシャルディー等々の会場内でのバーテンダーぶりも悪くなかった。
付け加えるならば、昨夏は、ヘンドリックス、モンキー47、コーヴァル等々のプレミアムジンをフィーバー・ツリーで割ったジントニックをよく愛飲したものだが、2000年頃、毎週末の深夜、麻布十番の某クラブ(ディスコ)のVIPルームでよくいただいたのは、シャンパン以外では、ボンベイ・サファイアのジントニックだった。2004年頃には、ロンドンやミラノをはじめ、同ジンは一世を風靡するほど人気が高まったが、昨年の阪急メンズ東京のパーティで振舞われた酒のひとつはプレミアムジン<ボタニスト>だった。
なお、自宅のミネラル・ウォーターは、イタリアの「サンペレグリノ」(750ml瓶←これが重要)が定番となって久しい一方、フランスの「エビアン」のデザイナーズボトル(750ml瓶)をここ数年は愛飲している。
映画と音楽、そしてテニス観戦の日々
ところで、テニスのTV観戦時の音楽(BGM)は、ナダルの試合時を除けば、夜の時間帯はジャズが定番だが、今月に限れば、ファットボーイ・スリムのライブアルバム2枚『LIVE ON BRIGHTON BEACH』『BIG BEACH BOUTIQUE Ⅱ』と、ジャック・ジョンソンの傑作アルバム『In Between Dreams』をヘヴィーローテション。
そして毎夏、飽きもせずにリピートしている映画が、マイケル・ダグラス主演のロサンゼルスの真夏を舞台にした最高すぎるクライム・コメディ『フォーリング・ダウン』だ(笑)。同作品の感想については、過去にも何度か取り上げたように、興味がある方は、2010年3月19日(金)付ブログ“Fucking fantastic”(テーマ: 映画)及び2013年11月18日(月)付ブログ“You're so fucking special!”(テーマ: 映画 )をどうぞ。
付け加えるならば、後輩が欲しいと持ち帰ったDVD(ブルーレイ)を今月再度購入したが、何かと言うと、チャック・パラニュークの小説2作品を映画した、デヴィッド・フィンチャー監督作『ファイト・クラブ』(1999年・米)と、ジェイソン・ライトマン製作総指揮『セックス・クラブ』(2008年・米)だ。両作品の感想に関しては、2012年11月26日(月)付ブログ“Where Is My Mind?”(テーマ: 映画)の中で「消費至上主義の帰趨」、その答えに言及しながら綴ったので、興味がある方はどうぞ。
夏のフレグランス
そして、夏のフレグランスと言えば、今から20数年前に手にしたアルマーニの「アクア・ディ・ジオ」が、私的な定番のひとつになって久しいが、ファッションフォトグラファー<パトリック・デマルシェリエ>が手掛けた広告がとても懐かしい。
一方、インパクトのあるネーミングがいかにもトム・フォードらしい、昨秋ニューヨークでお披露目されたフレグランス“Fucking Fabulous”は夏向けのそれではない。
最後に
先月末、六本木の「青山ブックセンター」が閉店したのは残念なニュースだったが、いよいよ、ITF2000「ウィンブルドン選手権」(7月2日~15日)は明日から本戦が始まるが、ワールドカップはすでに決勝トーナメントに入り、同大会ともに決勝は15日に行われる。なお、翌16日の日本は「海の日」で祝日だ。
When I met you in the summer
To my heartbeat sound
We fell in love
後編に続く。