Summer has come! (後編) | In The Groove

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ウィンブルドン選手権72日~15日)

 

テニスの4大大会のひとつ『ウィンブルドン選手権』のドロー(128)が発表されたので、4ブロックに分けて、簡単にまとめてみたい。ロンドンで開催される同大会で、イギリスで最も注目されていたのは、「ウィンブルドン選手権V2」を誇る英国の元世界ランキング1位のアンディ・マレー復帰の話題だったが、彼はエントリー後に棄権し、欠場を発表した。なお、マレーのATPランキングは、昨年7月時点では1だったが、怪我による長期離脱により、昨年末のそれは16位に、今年5月末は47位に、そして6月末は156までランクダウンしていたのだ。

 

そして今回、「ウィンブルドン選手権」のドローが発表された時点での、その気になるATPランキング(625日付)は、ナダルが1で、フェデラーが2ゆえ、同大会の第1シードはナダルかと思いきや、フェデラーが第1シードで、ナダルが第2シードとなっており、これはウィンブルドン独自の決定によるもので、とっても英国的だ一方、WTAランキング183のアメリカのアラフォー黒人女子選手が今回シード権を与えられた事に対して、スロバキアの元世界ランキング4位のチブルコワ(同32位)が「不公平だ」と異を唱えていたが、俺も同意見だ。

 

そう、4大大会(グランドスラム)に予選なしで出場できるのは、男女ともに100位内が目安となっており、近年、私的に注目していたカナダの元世界ランキング520141020日時点)のウージニー・ブシャールちゃん(「ウィンブルドン選手権2014準優勝)は、怪我をして以降、今年1月末には121までランクダウンしたのだ。そして、先週行われた「ウィンブルドン選手権予選に出場し、見事3勝し、今夜スタートする本戦出場の権利を得たわけだが、彼女のWTA最新ランキング(72日付)は188となっている。したがって、今回の黒人女子選手の特例措置は意味不明であり、理不尽だとも言える。

 

付け加えるならば、(テニスコート上でバク宙する、身体能力が高い)16歳になったばかりのウクライナのマルタ・コスチュクちゃん(同135位)と、ハンガリー19歳のファンニ・シュトッラルちゃん(同149位)には、昨年から注目してきたが、「ウィンブルドン選手権予選は敗退となり、とても残念な結果に終わった。

 

ドローその(トップハーフの32人)

 

このグループは、来月37歳の誕生日を迎える芝の王者<フェデラー>が優勝候補と目されているが、ATP250メルセデス・カップ」及びATP500ゲリー・ウェバー・オープン」における彼の戦いぶりを見る限り、若手相手に苦戦を強いられるなど、もはや王者の風格はなく、後者の決勝ではクロアチア21歳の超新星チョリッチに敗れるなど、不安だけが残るその結果に、私的には彼の優勝は厳しいと予想している。とはいえ、フェデラーが本来の強さを取り戻したら、楽に勝ち抜けられるドローだろう。

 

ドローその(トップハーフの32人)

 

このグループは、ロンドンで開催されたATP500フィーバー・ツリー選手権」決勝でジョコビッチに勝利したチリッチ(同5位)を筆頭に、ATP250メルセデス・カップ」で準優勝した元世界ランキング3位のラオニッチ(同32位)、ビッグサーバーのイスナー(同10位)、ディミトロフ(同6位)、カレノブスタ(同12位)、復活を目指す元世界ランキング3位のワウリンカ(同225位)、そして今年クレーコートでブレイクした若手のチチパス(同35位)等々、先述したトップハーフのドローと比べると、白熱した面白い試合が期待できそうだ。

 

ドローその(ボトムハーフの32人)

 

このグループは、「ウィンブルドン選手権V3」の実績を誇り、ATP500フィーバー・ツリー準優勝者ジョコビッチ(同17位)が完全復活を遂げるのか要注目だ。ジョコビッチを除けば、芝コートでフェデラーに勝てそうな選手はひとりも見当たらず、クレーコートでは圧倒的な存在感を誇るティエム(同7位)のプレースタイルは芝では全く機能せず(順応できず)、錦織圭くん(同27位)も同様なのだが、不安定なズベレフ弟(同3位)をはじめ、英国の若手筆頭カイル・エドモンド(同18位)、キリオス(同19位)、そして先日行われたATP250アンタルヤ・オープン」で優勝したジュムール(同30位)等々、誰が勝ち上がっても不思議ではないドローである一方、決勝まで勝ち進むイメージが誰からも湧いてこないのだ。また、芝を得意とする杉田祐一くん(同45位)は、1回戦は勝利濃厚だが、2回戦以降での勝利はほぼ不可能だと予想される。

 

ドローその(ボトムハーフの32人)

 

このグループは「死の組」であり、「ウィンブルドン選手権V2」を誇るナダル(同1位)が優勝候補筆頭だが、アルゼンチンのデルポトロ(同4位)、ベルギーのゴフィン(同9位)、アメリカのソック(同15位)等々、強豪揃いのドローだ。気掛かりなのは、ナダルもデルポトロも「全仏オープン」以来となる公式戦ということだ。ナダルは、先週ロンドンで開催されたエキシビション「アスポール・テニス・クラシック」に参戦し、今年初めて芝での実戦に挑んだとはいえ、11敗と完璧には程遠い仕上がり状態だった。

 

マレーは試合前日に棄権したが、★印は私的な要注目選手だ。参考までに、今年の戦績は、ナダルが282敗(勝率.933フェデラーが253敗(勝率.892デルポトロが287敗(勝率.800となっており、勝率8を超えるのはこの3人のみだ。なお、錦織圭くんは169敗(勝率.640)だ。

 

ところで、このドローには、他にもカナダの超新星19歳のシャポバロフ君(同26位)をはじめ、今年クレーコートで覚醒したイタリアのチェッキナート(同31位)、フランス勢では・・・ATP250リベマ・オープン準優勝シャルディー(同46位)、曲者ブノワ・ペール(同48位)、ジル・シモン(同53位)、スペイン勢では・・・ラモスビノラス(同37位)、フェリシアノロペス(同70位)、そして芝では期待が全く持てないと前置きしておくが、「全仏オープン」で躍進したアルゼンチンのシュワルツマン(同11位)とイタリアのフォニーニ(同16位)等々、トップハーフとは対照的に、まるでこのドローだけに一極集中したかのように、役者が多数揃っており、大変に興味深いドローゆえ、1回戦から目が離せないカードが目白押しだ。

 

最後に

 

一方、気になるウィンブルドン選手権の女子に関してだが、ドローを見る限り、私的な優勝候補は、先々週開催されたWTA470バーミンガム・クラシック覇者で「ウィンブルドン選手権V2」のクビトバ(同8位)と、先週開催されたWTA470イーストボーン国際覇者ウォズニアッキ(同2位)の2人だ。補足するならば、今年30勝以上した女子選手はアラサー世代の4名しかおらず、ハレプが336敗(勝率.846クビトバが347敗(勝率.829ウォズニアッキが309敗(勝率.769ケルバーが3210敗(勝率.761だ。

 

また、今年覚醒中のベラルーシ20歳のアリーナ・サバレンカちゃん(同45位)に私的に注目している。プレースタイルは、超ポジティヴ思考型の「超攻撃的なベースライナー」であり、プレー精度はさほど高くなく発展途上段階だが、そのビッグストロークは脅威であり、フットワークも軽く、将来がとても楽しみな選手なのだ。先週行われたWTA470イーストボーン国際」では、惜しくも準優勝となったが、連戦続きの疲労は無視できないとはいえ、「ウィンブルドン選手権ベスト8を狙える超新星だろう。

20歳の大坂なおみちゃん(同18位)然り、ね。 

 

いよいよ今夜、テニスエリートたちの熱い夏が始まる。そして、「全仏オープン」のようにナダルが圧倒的に勝利するとは考えにくいと前置きしておくが、進化し続ける天才の「ウィンブルドンV3」を期待したい。

 

Vamos, Rafa!