変わったとも言えるし、変わらないとも言える。少なくとも私にとってフランソワ・オゾンは、『17歳』で会ったときと変わらなかった。ただお互いをより深く知ることによって、共犯関係が強くなったことは確か。それが違いかしら。
肉体をさらすのは問題ではないわ。私の仕事は女優にしてもモデルにしても、身体を使った表現だから。この映画(『2重螺旋の恋人』)はとても興味深いストーリーだし、フランソワのことは完全に信頼しているから、彼が私を選んでくれた以上、何も問題なかった。クロエは最初とても不安定だけど、だんだんと変化していく。彼の映画は常に女性が強烈で深みのあるキャラクターだから惹かれるの。
―マリーヌ・ヴァクト(雑誌『ELLE JAPON』8月号のインタヴュー記事より)
イビザの休日
今季4勝(ATP1000「モンテカルロ・マスターズ」、ATP500「バルセロナ・オープン」、ATP1000「イタリア・オープン」、ITF2000「全仏オープン」)を誇る、テニス界のスーパースター<ラファエル・ナダル>が束の間の休息を、スペインのイビザ島で過ごしている。そう、イビサ島に開業した高級ホテル『ノブ・ホテル・イビザ・ベイ』だが、プールサイドのシネマ・ナイトで上映した映画が、1988年のエディ・マーフィー主演作『星の王子 ニューヨークへ行く』なのは、どこかズレてると思ったのは俺だけだろうか?
イビサ島は、世界中の若者たちがパーティを楽しむ場所としてもつとに有名な島だが、テニスの女子選手に目を向けると、先日プリスコバ妹が結婚した一方、(独身のナダル同様)ウィンブルドン選手権後、ツアーには参加せず、束の間のサマー・ヴァケーションを楽しんでいるのが、元世界女王で独身のマリア・シャラポワちゃんだ。彼女が選んだデスティネーションは、世界で最も美しい海岸線と形容されるイタリアのアマルフィ海岸だ。
テニスを題材とした映画
ところで今年は、テニスを題材とした映画が日本でも2本公開されるが、現在公開中のエマ・ストーン主演作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』はすでに劇場鑑賞したが、エマが演じたテニス選手は1970年代のビリー・ジーン・キング(現74歳)であり、今でこそレズビアンの現役テニス選手は、アリソン・バンハイトバンクやヨハンナ・ラーション等々をはじめ、少なくないが、あの当時とは時代が違いすぎるのも確かだろう。
そして、いよいよ8月31日には『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』が日本で公開されるが、やんちゃで炎の男と形容された<ジョン・マッケンロー>役には、マイケル・ダグラス主演作『ウォール・ストリート』(2010年)での演技が私的に記憶に残っている、現在32歳となったシャイア・ラブーフが、スウェーデン出身で氷の男と形容された<ビヨン・ボルグ>役には、スウェーデン映画『ストックホルムでワルツを』(2014年)の演技が私的に記憶に残っている、現在39歳のスベリル・グドナソンが演じる。なお、このライバル関係を描いた同作品は、1980年7月に開催された『ウィンブルドン選手権』決勝の名勝負がメインのようだ。そう、マッケンローと比べれば、現役選手のフォニーニやキリオスのやんちゃぶりはとてもカワイイそれなのかもしれない(笑)。
映画の夏
先週末は、久々にフランソワ・オゾン監督作『スイミング・プール』(2003年・仏)のDVDを書棚から取り出し、南仏の別荘のプールサイドで起きた真夏の殺人事件を題材とした同作品を再見したが、シャーロット・ランプリングの存在感は変わらず圧倒的で、(当時24歳だった)リュディヴィーヌ・サニエちゃんが現在39歳になったことに驚きを隠せなかった。なお、同監督に関しては、過去何度も取りあげているが、リュディヴィーヌ・サニエちゃんに関しては、2013年9月24日(火)付ブログ“Wine & Dine Diplomacy”(テーマ: 本・雑誌)の中で、『パリ、ジュテーム』(2006年・仏)や『引き裂かれた女)』(2007年・仏)等々、少しばかり触れたので、興味がある方はどうぞ。
本題に入るが、ブログ冒頭で引用した『エル・ジャポン8月号』(6月28日発売号)には、「2050年までに海は魚よりプラスチックの方が多くなる」などサステナブルな旬な話題(ジャック・ジョンソン、バーバラ・パルヴィン他)をはじめ、映画特集が組まれている一方、『VOGUE』8月号掲載の、パリのフォーシーズンズホテル・ジョルジュサンクのスイートルームに宿泊していたリアーナのインタヴュー記事も興味深かったとはいえ、『エル・ジャポン』8月号は、今号に限れば、とりわけ俺の興味を引いたとも言えよう。
私的に観たい8月公開の5作品
◆ミッション・インポッシブル フォールアウト (8月3日公開予定)
先週、トム・クルーズが23回目の来日を果たし、同作品のジャパン・プレミアを東京ミッドタウン日比谷で行った。もはや説明不要なアクション大作『ミッション・インポッシブル』シリーズだが、6作目となる本作も、前作『M: I ローグ・ネイション』に続き、クリストファー・マッカリーが監督を務めている。
◆2重螺旋の恋人 (8月4日公開予定)
今夏、私的に最も楽しみなフランソワ・オゾン監督のフランス映画だ。本作でヒロインを務めるのは、映画『17歳』(2013年・仏)で女子高生役を演じ、シャーロット・ランブリングと共演した(当時22歳だった)フランス期待のシャネルのミューズ<マリーヌ・ヴァクト>ちゃんだ。彼女に関しては、過去数回取り上げており、ミュウミュウのミューズに起用され、来日した際、2015年3月31日(火)付ブログ“Young and Beautiful”(テーマ: ファッション)で触れたので、興味がある方はどうぞ。
◆セクシャリティー (8月7日公開予定)
サラ・ガドンちゃんが主演を務める本作のタイトル『セクシャリティー(原題: Octavio Is Dead!)』(2018年・カナダ)を目にして、かつてアルマーニのモデルを務めたラウラ・モランテちゃんが主演を務めたビセンテ・アランダ監督作『セクシャリティーズ』(1997年・スペイン)という映画を思い出したのは俺だけだろうか。同作品のDVDも所有しているが、先日はマイク・フィギス監督作でラウラ・モランテが出演している映画『HOTEL』(2001年・英伊合作)のDVDも再見したが、万人にオススメはできないが、俺好みの作品だ。
アルマーニウーマン<サラ・ガドン>ちゃんは、俺好みの作品に多数出演しており、例えば、デヴィッド・クローネンバーグ監督作・・・『危険なメソッド』(2011年)、『コズモポリス』(2012年)、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014年)、そしてドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『複製された男』(2014年)等々、私的にここ7年ほど注目しているカナダの女優なのだ。
◆オーシャンズ8 (8月10日公開予定)
言わずと知れた『オーシャンズ』シリーズ3部作の女性版であり、凄腕のハッカー役を演じるリアーナをはじめ、アルマーニウーマン<ケイト・ブランシェット>、ヘレナ・ボナム=カーター等々が出演するなど、豪華な顔ぶれだ。そして、彼女ら7人が狙うのは、アン・ハサウェイが身に着ける1億5000万ドルのネックレスであり、それがお披露目される舞台が、ニューヨークで有名なファッションの祭典「メットガラ」の会場というのは、ハリウッド映画らしく、とても華やかだ。
なお、ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹デビー役を演じるのはサンドラ・ブロックなのだが、彼女の顔は生理的に受けつけないので、このキャスティングだけはとても残念だ。他にも候補はたくさんいたと思うが・・・。
◆タリーと私の秘密の時間 (8月17日公開予定)
以前のブログでも少しばかり取り上げたが、シャーリーズ・セロンの新作であり、彼女は本作で3人の子供を育てる母親マーロを演じており、そのベビーシッターのタリー役を演じるのが、イモージェン・プーツと共演した恋愛映画『恋人まで1%』(2014年)をはじめ、リドリー・スコット監督作『オデッセイ』(2015年)、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『ブレードランナー 2049』等々の出演も記憶に新しいカナダの女優<マッケンジー・デイヴィス>ちゃんだ。
ジェイソン・ライトマン監督が、バツイチの作家役にシャーリーズ・セロンを起用して撮った映画『ヤング≒アダルト』(2011年)との違いを、本作ではどう描いているのかが見どころのひとつだろう。そう、ディオール・ウーマン<シャーリーズ・セロン>が前作『アトミック・ブロンド』で演じたロレーン役と本作は180度異なる作品だとはいえ、それもまた楽しみだ。
最後に
ステイシー・マーティン出演作『グッバイ・ゴダール』も気になる一方、6月末に公開されたウディ・アレン監督作『女と男の観覧車』をはじめ、エヴァ・グリーン出演作『告白小説、その結末』も未見だが、都会の真夏の夜に、冷房の効いた映画館で、平日の仕事帰りに映画を楽しむのも素敵な時間の過ごし方だ。
Have fun!