ベラルーシは美人の産地で知られる。ベラルーシの女性の特徴をいえば、透き通るような白い肌、目を見張るような金髪、青い瞳にすらっと伸びた足である。アジア人が持っていないモノをすべて持っている。決して、そういう人ばかりと言うわけではないが、街中を歩いていると、モデルかと見間違えてしまうほど美しい体形の女性を見かけることがある。
ベラルーシの美人で一番に思いつくのは、プロテニス選手のマリア・シャラポワである。彼女の両親はベラルーシ南部のゴメリ州の出身で、チェルノブイリ原発事故でロシアのシベリア地方に移住した。シャラポワはその翌年に生まれた。また、真面目に働く性格なので、柔らかい物腰や話し方から、より美人に映るのかもしれない。
モデルでは、ターニャ・ディアヒレヴァ、オルガ・シェレール、カトシア・ジンガレヴィチなどが有名である。プラダやH&Mなど世界的有名ファッションブランドのモデルとして活躍する一方、世界的なショーに出演し続けている。
―服部倫卓・越野剛著『ベラルーシを知るための50章』(2017年9月25日発行)より
女子テニス界No.1候補の
ベラルーシ20歳の超新星<アリーナ・サバレンカ>
という物語の序章が終わった。
前回のブログタイトル“O, Wonder(まぁ、素晴らしい)”は、女子テニス界の超新星<アリーナ・サバレンカ>ちゃんを形容するために選んだ言葉だ。それは、シェイクスピア(1564-1616/享年52歳)後期の作品となるロマンス劇『テンペスト』第5幕第1場、外界と断絶された孤島で暮らしていたミランダが、難破船から辿り着いた人々を見たときの台詞であり、その後には“O brave new world, That has such people isn’t.(まぁ、素晴らしい新世界だわ。こういう人々がいるなんて)”と続く。
シェイクスピア劇に関しては、例えば、シェイクスピア没後400周年にあたる2016年まで遡ると、同年8月15日付ブログ“A Midsummer Night's Dream”(テーマ: デヴィッド・ボウイ)では、池袋の東京芸術劇場で観劇した、イギリスを代表する名門大学<オックスフォード大学>の演劇協会(OUDS)によるシェイクスピアの喜劇『夏の夜の夢』の来日公演の感想を詳細に綴ったので、興味がある方はどうぞ。
そんな華があるベラルーシ長身182cmのサバレンカちゃんは、WTA900『武漢オープン』優勝後は、WTA1000『中国オープン』ベスト8、WTA280『天津オープン』ベスト8と失速し、WTAファイナルズを一歩手前で逃したのだ。格下相手に敗れた両大会が余程ほど悔しかったのか、エントリーしていた翌週のWTA470『クレムリン・カップ』を急遽欠場したのだ。華がないハレプも同大会をエントリー後に欠場し、WTAファイナルズはキキ・バーテンスが代わって出場が決定したが、ウォズニアッキやスビトリナ等々を除き、華がない地味な選手ばかりが集まった最終戦だが、シンガポールでの開催は今年が最後となる。
サバレンカちゃんは、昨年の天津オープン決勝でシャラポワに敗れたとはいえ、準優勝という結果を残しており、WTAファイナルズ進出を今年狙えただけに、とても残念でならない。なお、彼女は現在、ヴァカンスを楽しんでおり、インスタグラムには水着姿の写真が公開されている。そう、パワーテニスの元女王で長身188cmの<シャラポワ>の後継者になるであろうサバレンカの2018年の挑戦は終わり、休むことなく戦い続けた夏をいま懐かしむように、彼女の遅い夏休みが始まった。
東欧諸国(ベラルーシ・ウクライナ・バルト三国)の選手達が
女子テニス界を席巻した2018年
そう、前回のブログでは、昨年から女子テニス界に新風を吹き込んでいるベラルーシの女子テニス選手に改めて注目し、ベラルシアンの元世界ランク1位<ビクトリア・アザレンカ>に続く、近い将来No.1になるであろう20歳のアリーナ・サバレンカちゃんにフォーカスした。そして近い将来、大坂なおみとアリーナ・サバレンカの脅威になるであろう17歳以下の超新星4人・・・
アマンダ・アニシモバ(アメリカ国籍だが、モスクワ出身の17歳・92位)、
オルガ・ダニロビッチ(セルビアの17歳・97位)、
アナスタシア・ポタポワ(ロシアの17歳・93位)、
マルタ・コスチュク(ウクライナの16歳・122位)にも改めて注目した。
この4人のうち、16歳のコスチュクを除く17歳の3人は、すでにWTAランク100位内に位置している。17歳当時、大坂なおみは250位、サバレンカは548位であり、天才ラファエル・ナダルをはじめ、マルチナ・ヒンギスのような天才少女(16歳当時で世界ランク6位)を除けば、先述した2001年以降に生まれたこのティーンたちが、3、4年後、20歳の誕生日を迎えた頃には、トップ10選手になっている可能性が非常に高く、とりわけアニシモバちゃんとポタポワちゃんのロシア系2人のプレースタイルは、17歳には到底思えないほど完成されているゆえ、将来がとても楽しみ選手だ。
ウクライナ18歳の超新星<ダヤナ・ヤストレムスカ>
WTA280『香港テニス・オープン』(10月8日~14日)優勝
そんな矢先、先週行われた香港テニス・オープン決勝では、(今夏以降に覚醒し、手が付けられなくなるほどの勢いがあった)中国26歳のワン・チャン(準々決勝でスビトリナに、準決勝でムグルサにそれぞれストレート勝利)に6-2, 6-1というスコアで圧勝したのが、18歳の超新星<ダヤナ・ヤストレムスカ>ちゃんだ。
先週末の14日(日)、香港大会での優勝を経て、ヤストレムスカちゃんは香港からルクセンブルグにすぐさま移動し、16日(火)に1回戦(VSレプチェンコ)、17日(水)に2回戦(VSムグルサ)、18日(木)に準々決勝(VSガスパリヤン←タシケント・オープン覇者)にそれぞれ勝利し、そして今夜19日(金)は準決勝(VSベンチッチ)に挑む。現在、香港大会から8連勝中の彼女の世界ランクは、年初188位から現在66位(10月15日付のWTA最新ランキング)まで122もランクアップしている。今年、女子テニス界で覚醒した選手は、他でもない大坂なおみちゃんとアリーナ・サバレンカちゃんの両選手であり、数年前から私的に注目してきた選手だとはいえ、今春以降の劇的な進化は、世界中のテニスファンの予想をはるかに超えていた。前者は年初の世界ランク70位から今月には同4位(64ランクアップ↑)に、後者は年初の同ランク69位から今月には11位(58ランクアップ↑)まで、それぞれランクアップした。
なお、先月行われた東レPPOで準優勝した大坂なおみちゃんは、錦織くんが過去13年間でできなかったマスターズ及びグランドスラムの優勝を、今年20歳の若さで実現しており、来年以降も活躍が期待でき、メンタルが安定さえすれば、来年以降はもっと勝ち星を増やすはずだ。
最後に
先日、秋の夜長に、80年代から集めているレコードを再確認していると、ワム!(ジョージ・マイケルのデュオ)のデビューアルバム『ファンタスティック』(1983年)とスティングのデビューアルバム『ブルー・タートルの夢』(1985年)が目に留まり、超高級レコードプレーヤーで久々に視聴しながら、レコードに封入された豪華なライナーノーツにも目を通したが、前者のそれには1983年当時の状況が記され「WHAM!は、新しいポップ・スターだ。若さをぶつけ、いま最高にダンスさせてくれるデュオ。ウィンブルドンのテニスでイギリス中盛り上がっていた6月の後半、・・・」の一節が目に留まった。
俺は何を伝えたいのか、それは今から35年前の1983年、そしてニューヨークでプラザ合意があった33年前の1985年という日本経済のバブル前夜当時に、33年後の未来となる2018年の俺のライフスタイルが、帰宅後、シャンパン片手に毎日のようにテニス観戦する日々だとは予想できなかった、と。テクノロジーの劇的な進化による、インターネット時代だからこそ可能にした21世紀の便利な暮らしだが、83年にデヴィッド・ボウイのアルバム『レッツ・ダンス』を手にしてから、英国の音楽に夢中になり、テニススクールにも通ったあの80年代をいま回顧すると、あの時代もまた最高だったなぁ、と。
そして先日、俺はブルー・タートルの夢を見たよ。
Have a nice weekend!