Autumn Leaves | In The Groove

In The Groove

a beautiful tomorrow yea

成功する男の背後には必ず強い女がいる」と昔からよくいわれてきたが、社会環境の変化に伴い、幾分変わった。離婚が増え、同性愛が認められ、昔ながらの家族制度に代わる対等のチームメイトのような関係が生まれた。だが、この言葉は今でも生きている。ノバク・ジョコビッチの成功の陰にも、エレナ・ゲンチッチというちょっと変わった強さを持つ女性がいた。ジョコビッチはゲンチッチがいなくても一流のテニスプレーヤーになっただろうが、彼女の存在無くして現在の彼は考えられない。ゲンチッチは幼い頃、父と同じくピアノに秀でていたが、テニスとハンドボールに情熱を傾けた。ユーゴスラビアのナショナル・ハンドボール・チームで活躍し、テニスでは国内の大会で32回も優勝した。

 

ジョコビッチはゲンチッチのことを「テニスの母」と呼んでいる。彼女はノバクが5歳から12歳になるまでテニスの基礎を教えたが、もっと広く影響を与えた。ノバクの将来を見据えてさまざまなことを教えたので、「ライフ・コーチ」と呼ぶほうがふさわしい。ノバクは生活していくことだけで精一杯の家庭の出身だった。しかし、ゲンチッチは、ノバクがテニスプレーヤーになればフルコースディナーの席につくこともあると思い、「これは食前酒のグラス、こちらは白ワイン用で、これはシャンパン用」と、テーブルマナーも教えた。

 

ゲンチッチは、エチケット以外にも音楽文学など幅広い教養をジョコビッチに身に付けさせた。ある日、彼に、疲れた時は横たわって好きなクラシック音楽を聴くのよと言い、一緒に聴いてみない? と誘った。

 

大切なことを言うわよ。試合では次の二つのどちらかの場面がやってくる。まず、勝利まであと1ポイントか2ポイントで、わくわくしているところ。そんな時は、落ち着いて試合を終わらせるのよ。はしゃいだりしないで、落ち着くの。けれど、もう少しで負けそうな時は、さっきの音楽と感覚を思い出して。そうすれば、アドレナリンが出て勝てるかもしれないわ」と教えたの。これはメンタルを強くするのに役立ったと思うわ。

 

ゲンチッチは亡くなる1週間前までテニスコートに立っていたが、転移した肝臓がんが急速に悪化し、2013年全仏大会中の土曜日に、帰らぬ人となったのだ。童話だったら、ジョコビッチは7日後に全仏大会で優勝しただろう。だが、現実は厳しく、4時間38分の死闘の末、ラファエル・ナダルに敗れた。

クリス・バウワース著『ノバク・ジョコビッチ伝』より

 

ATPファイナルズ(1111日~18日)

 

先月のWTAツアー最終戦に続き、ATPツアー最終戦が本日終わった。俺の人生の中で、2018年はテニスの試合を過去記憶にないくらいに観た1年となったが、録画放送を含め、11か月でテレビ観戦した男テニスの試合は600試合を軽く超えるはずだ。年初から、ほぼ毎週、毎日のように観たが、DAZN(録画ハイライトを含む)で女子の試合を、GAORA(再放送を含む)及びWOWOW(オンデマンドを含む)で男子の試合を、国内で放送されていない試合は海外サイトを介して観たが、来年はナダル復帰まで、平日帰宅後の時間はテニス観戦から距離を置く予定だが、女子テニス界No.1候補のアリーナ・サバレンカちゃんや大坂なおみちゃんをはじめ、10代の若手選手数名にも期待している。

 

本題に入るが、ATP(男子テニス協会)ツアーの最終戦となる『ATPファイナルズ』は、1年間で最も活躍した上位選手8名による大会だが、ランキング上位10名に関して、簡単に表にまとめてみた。2位のラファエル・ナダル4位のデルポトロが怪我により欠場となったため、9位の錦織君10位のイスナーが繰り上げで今回出場した。

 

今季も昨年に続き、圧倒的な強さを誇った天才ナダルは、出場した大会こそ少ないが、グランドスラムマスターズATP500の大会で5度優勝している。怪我のため、全米オープン以降は1大会も出場できず、1280ポイントを失効し、ジョコビッチ20161031日以来となる 世界ランク1位(115日付ATPランキング)に約2年ぶりに返り咲いたのは記憶に新しい。

 

ブログ冒頭、ジョコビッチの自伝から一部抜粋して引用したが、彼がクラシック音楽を聴き、メンタル面の安定を図ったことなど、彼のファン以外(俺は彼のファンではないのであしからず)は知らないそれかもしれないが、大坂なおみちゃんは黒人音楽がお気に入りと公言しているが、試合当日、会場に入場する際もヘッドフォンをして、ヒップホップラップを聴いているが、その選択をクラシック音楽に変更すれば、良い意味での“変化”が生まれるかもしれない。付け加えるならば、彼女の唯一の趣味でもあるテレビゲームをやめれば、精神的な安定を図れるとも思う。彼女は若いからと前置きしておくが、色んな意味での、“幼稚さからの脱却”が、彼女の成功(世界ランク1位)への近道になるような気がしてならないのだ。

 

話を戻すが、先述した表を見てもらえば一目瞭然だが、今季の数字から、ナダルが圧倒的な強さ(途中棄権が2試合あるため、実際に負けたのは2試合のみ)を誇ったことだけは明らかなのだが、今夏以降はジョコビッチの活躍が著しく、彼の完全復活をとても強く印象付けた1年だったとも言えよう。

 

また、今年ブログの中で何度か指摘したように、ジョコビッチが復活し、ナダルジョコビッチデルポトロBIG3体制の誕生かと思った矢先、ナダルとデルポトロの離脱により、来年の上位争いはジョコビッチが軸になるとはいえ、ナダル不在の状況下では、混戦が予想され、今年以上にNextGen(次世代)の成長が見込まれるゆえ、波乱が起こりそうだ。

 

前置きが長くなってしまったが、ATP1500ATPファイナルズ』はロンドンを舞台に、現地時間1118日(日本時間1119日の早朝)に決勝が行われ、世界ランキング1位に返り咲いたノバク・ジョコビッチが、NextGen(次世代)のひとり・・・21歳のアレクサンダー・ズベレフ4-6, 3-6のストレート負けを喫したのだ。

 

昨年に続き、誰も予想できなかったであろう、ズベレフ弟が初優勝を決め、2018年のATPツアー最終戦は大波乱の幕切れとなったが、来年こそは怪我なくナダルがこの場にいてくれることを切に願う。なお、ITF(国際テニス連盟)主催のテニスの国別対抗戦『フェドカップ決勝フランスVSクロアチア>は、今週(23日~25日)フランスのリールで開催される。

 

ポーランドの技巧派テニス選手

元世界ランク2位の<ラドワンスカ>ちゃんが引退を表明

 

昨年結婚し、東レ・パンパシフィック・オープンにも8度出場し、2度優勝するなど、すっかり日本のテニスファンの間でもお馴染みとなったアグニエシュカ・ラドワンスカ29歳)ちゃんが今月引退を表明した。テニスのスタイルは、元世界ランク1位のウォズニアッキちゃん(29歳以下でキャリア通算30を誇る)に似た技巧派の選手であり、キャリア通算20を誇る、ポーランドを代表する女子テニス選手だ。

 

先日、RTした彼女のツイッターの写真は、紅葉に染まるポーランドの都市ソポトでの1枚だが、ソポトと言えば、ラファエル・ナダル18歳でATPツアー初優勝(2004815日)を飾った思いで深い場所のひとつだろう。

 

2005年以降、ナダルは牛若丸のように軽いフットワークを武器に、快進撃を続け、同年はATPツアー優勝11回(7910敗)2007年は同ツアー優勝6回(7015敗)2008年は同ツアー優勝8回(828敗)という、驚異的な強さを誇り、21歳の若さで世界ランク1位にまで上り詰めたのだ。そう、我々が生きている間に、そんな天才選手はもう現れないかもしれない。

 

2001年以降、ATPツアーにおいて、1年(正確には11か月)の間に、80勝以上し、10回以上優勝した選手は、ナダル以外では、フェデラージョコビッチしか存在しない。今年、怪我の為、出場機会が少なかったナダルが、全選手の中で最多の5度優勝しているが、もし彼が若かりし頃のように1年間怪我なく出場できれば、今以上に眠れない夜が増えそうでそれはそれでまた問題だけど、ね(笑)。

 

最後に

 

ニューヨークでは先日、初雪を観測したようだが、

ラファエル・ナダルは束の間のヴァカンスを楽しむため、スペインからマイアミに向かう写真をツイッター上で公開している。彼の怪我の早期の回復を祈るばかりだが、今年気まぐれで、テーマに「テニス」を新たに加え、テニスに関するエントリーは今回含めて24回を数えるが、もうこれ以上書くこともないので、しばらくの間は、テーマ「テニス」での更新は避けたいと思う。

 

 

Have a beautiful day!